仕事量が多いのは自分だけ?
こんにちは!
ペットライフクリエイター獣医師MicVet です。
小動物臨床6年,ペットフードメーカなどで約1500件の動物病院を担当,動物病院スタッフ向けに毎日がちょっと楽しくなる情報発信中です。
このブログでは利用可能性バイアスからみたについて考察します。
参考にした本はこちら
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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どうして私だけこんなに仕事してるの!?

あの患者さんずっと待ってる誰か気づいてる人いるかな?
入院室の床替えまだ全部終わってないのに電話対応でいけないどうしよう?
動物看護業務だけでも休む暇がないのにミーティング資料まで作るなんて・・・
そんな時に限って後輩が
仕事量が多くてついていけません。
と言い出し・・・。
私だってついていけないよ!もう無理!
と叫びたい気持ちになります。
人はみんな自己チュー?

1979年心理学者のロス先生は
夫と妻それぞれに
家の掃除・整理整頓へのあなたの貢献度はどのくらいですか?
などの家事に関する20の質問に対して
15cmのスケールを使って評価するようにお願いをしました。
例えば
私が半分以上やっていると感じた時

俺は半分もいかないけど少しはやってる

といった具合に表現してもらいました。
この方法なら2人が考える家事への貢献度が一致する場合
夫婦が引いたそれぞれの線を合わせると大まかに15cmの線が完成することになります。

ところが実験結果は大変興味深いものになりました。
20項目中18項目で
夫婦の家事に対する貢献度をあわせたところ100%(15cm)を超えていたのです。

夫婦各々が無意識に自分のほうが家事に貢献している!と認識していることがわかります。
自分の行いは記憶に残りやすい

本当に人はみな自己中なのでしょうか?
このような考え方になる原因の一つとして利用可能性ヒューリスティックという人がもともと持っている思い出しやすさと評価の関係があります。
思い出しやすいことを過大評価する性質のことです。
この研究には続きがあり
自分とパートナー(夫や妻)が行っている家事について具体的なリストを作成してもらったところ相手よりも自分の項目を多く書き出しました。
これは,自分がやった仕事は相手がやった仕事よりもハッキリと思い出せるために評価に差がでると考えられています。
誤解されやすいチーム貢献度
経済学ノーベル賞受賞したダニエル・カーネマン先生によると
チームで仕事をする場合,自分のほうが他のメンバーよりも頑張っており,他のメンバーの貢献度は自分より小さいと考えがちである。
ファスト&スロー 第12章より抜粋
と述べています。
この自己チュー思考に捕まってしまうと私の貢献は適切に評価されていないと感じやすくなります。
そしてあなたがそう感じているということは,チームメンバーも同じ思いをしている可能性が高くなります。
仕事量が多いのは一人だけ?

いいえ,決して一人だけではありません。
だからといって耐え忍んで我慢するべきとも言いません。
その気持ちや悩みを共有し,相談できる方があなたの周りに必ずいます。
乗り越える自信のないタスクに直面したときには一人で抱え込まず,助けをお願いすることもできるということを忘れないでください。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
