動物看護お尻と薬ミス

動物看護お尻と薬ミス

動物看護師のお尻と薬ミス

  

動物看護師のお尻と薬ミス

こんにちは!動物病院初診専門コンサルタント獣医師MicVet です。小動物臨床6年,ペットフードメーカなどで約1500件の動物病院を担当,動物病院スタッフ向けに毎日がちょっと楽しくなる情報発信中です。

このブログでは動物看護師のお尻と薬のミスについて考察します。

参考書
誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

  

尻ぶつかり効果butt-brush effect

  

尻ぶつかり効果butt-brush effect

  

1990年に心理学者のパコ・アンダーヒル先生が尻ぶつかり効果と呼ばれる人間の不思議な行動を発見しました。

アンダーヒル先生はあるスーパーの依頼を受けて店内の監視カメラからお客の動きを観察分析したところ特定の行動パターンがみつかったのです。

スーパーでは商品が並ぶ陳列棚の間をお客がお尻を合わせて体をねじるようにすれ違います。

店に訪れたお客の行動を監視カメラを使って分析した結果

買い物お客は他人の身体とぶつかると買い物を辞めて店から出るという行動パターンがあったのです。

この研究が注目を浴びた理由は買い物を辞め店を出た後のお客の反応です。

それは

身体が他人にぶつかり店を出たお客に「なぜ店をでたのか?」と理由を聞くとこんな説明をするのです。

どうして店を出たのかわからない。なんとなく。

  

「他人と身体がぶつかったから店から出た」という行動をお客本人が全く意識をしていなかったのです。

中には子供のお迎えがあるや,待ち合わせがあるなどもっともらしい理由をあげることもありました。

このスーパーではお客とお客が体の向きを変えお尻を合わせるようにすれ違います。

この実験からアンダーヒル先生は

他の客とお尻がぶつかったとき,陳列棚から商品を選ぶのを辞め店からでてしまう現象のことを尻ぶつかり効果と名付け

男性よりも女性の方がその影響を受けやすいことがわかりました。

これは心理学で停止規則と言われている現象です。

   

ある動物病院の会議資料

  

ある動物病院の会議資料

とある動物病院を訪問した時の話。

その動物病院では毎月1回スタッフ全員が集まるミーティングが行われており,私もその会議に参加させてもらったのこと。

配布された会議資料にはこんなことが書かれていました。

  

今月の注意事項

・カルテNO1111〇〇様内服薬の色が違う
・カルテNO2222△△様処方された薬の数が足りない
・カルテNO3333□□様いつも薬袋に14粒なのに16粒入ってる


・・・・

   

過去のミーティング資料を見せてもらうとこの動物病院では薬に関するミスが多いことが記載されています。

なぜ,薬の入れ違いや数え間違いといった単純ミスが多いのでしょうか?

この動物病院の薬品棚
受付のすぐうしろ,スタッフの出入りが最も多い場所にあったのです。

  

薬棚の位置とお尻ぶつかり効果

  

薬の位置とお尻ぶつかり効果

実際,その動物病院ではカルテを持ったスタッフが受付から診察室に移動する時

受付のすぐ後ろで薬剤を調整しているスタッフとお尻を合わせて体をねじるようにすれ違います。

こうしないと受付から診察室に移動できない構造になっているのです。

そして

調剤ミスをしたスタッフに「なぜミスが起きたのか?」と理由を聞くとこんな説明をするのです。

どうしてミスが起きたのかわからない。覚えてない。

  

原因はデザインにあり!?

  

原因はデザインにあり!?

コピーをとってコピーしたプリントだけを持って行って,コピーに使った原稿を忘れたことはありませんか?

何かを書こうとして借りたペンをそのまま返さずに持って返って来てしまったことはありませんか?

ミスを犯した時,自分のせいだと必要以上に思いこんでいませんか?

もしかしたらそのミス原因はデザインにあるかもしれません。

この本の著者ノーマン先生は認知科学の視点から私達の遭遇する間違いの多くは扱う人間ではなくそのデザインに原因があるという考えを主張しています。

一般的にミスが許されない飛行機事故や医療事故などはなぜ起きてしまうのか?

その背景には間違いを誘導するかのようなデザインが存在することを事例を交えながら解説しています。

心理学や認知科学の専門用語が使用されているので入門編としては難しく感じる内容ですが何度も同じミスをしてしまう本当の原因がわかるかもしれません。

 明日も素敵な1日になりますように!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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