勉強に役立つ席はどこ?

動物病院初診専門コンサルタントの傍らペット専門学校で非常勤講師をしています獣医師MicVet です。
年間約200時間以上講義でのべ500人のドッグトレーナーやトリマーそして動物看護師の皆様に獣医学を教えてきました。
今回は学会や勉強会などで座る席についてご紹介します。
セミナーがいっぱいありすぎて迷っている方は
獣医セミナー公開しない3つの基準もご覧ください。
最も勉強効率が良いのは一番前

もっとも勉強効率があがるのは講師の目の前,最前列に座ることです。
スクリーンが見にくいといった弱点はあるものの,視界に余計な情報が入りにくく集中しやすいです。
もしかしたら講師から急に意見を求められるかも知れない。
後ろから視線を感じるので落ち着かない。
そんな緊張感を得ることで勉強効率があがるのです。
これはヤーキーズ・ドットソンの法則と呼ばれ適度の緊張状態では脳内でノルアドレナリンが分泌され
集中力,記憶力,判断力
があがる事が心理学の正解で知られています。
最前列でも眠くなる席

公演する部屋によっては講師からみてすぐそこ2,3歩くらいの距離に最前列端っこの席があります。
そういった席に座っている方は最初はやる気をもって熱心に聞いていますが
残念なことに後半になると頭がだんだん落ち最終的には集中力が切れてしまうのです。
モチベーションが高く一番前の席に座っているのにも関わらずです。
なぜか?
私はこれを灯台下暗し現象と言っています。
講師の立場になって気がついたのですが最前列の端っこは講師の視界に入らないので緊張感が薄くなります。
講師の視界に入らない
→講師が自分に興味がない感じがする
→緊張感が薄れる
→眠くなる
せっかく一番前の席を確保してもその恩恵を受けにくいです。
人気の勉強会やセミナーではあっというまに最前列が埋まってしまう事があります。
混雑している場合には最前列の端っこではなく,2,3列うしろでも真ん中の席を勧めします。具体的にいうと講師の目線に入る場所です。
後ろの席効果を利用する

前の方の席が効率よく学習できるという話をご紹介しましたが
後ろの席は良くないのか?
実は勉強会などで後ろの方の席に座ることで意外な効果が期待できるのです。
2012年トーマス先生とツァイ先生によって課題や問題の物理的な距離がその問題の解決しやすさに影響を与えているという論文を発表しました。
実験したのはこんな研究です。
画面にうつした読みにくい単語を読み上げてもらうというものです。
椅子に持たれるくらい距離をとった状態で読み上げる
単語がうつる画面に顔を近づけた状態で読み上げる
どちらが簡単だったか評価しました。
すると,椅子にもられるくらい距離をとって単語を読み上げた方が簡単だったとの評価が多かったのです。
扱いにくい課題に直面した時に物理的に離れた位置から見ると実際に感じる難しさを緩和することができるという事です。
これは難しそうだなと感じるテーマを聴講するときには後ろの席がおすすめです。
効率の良いセミナーの選び方はこちらをご覧ください。
参考書
今回参考にした本はこちらです。
少ない時間で効率よく学習したいですね。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
明日もあさっても素敵な1日をお過ごしください。