猫の尿石症や膀胱炎の対策 お水

動物病院初診専門コンサルタントの傍らペット専門学校で非常勤講師をしています獣医師MicVet です。
年間約200時間以上講義でのべ500人のドッグトレーナーやトリマーそして動物看護師の皆様に獣医学を教えてきました。
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猫の膀胱炎や尿石症は猫にとっても家族にとっても本当につらい症状です。
治療は主に薬や療法食、ひどい時には手術することも・・・。
獣医師からは「尿石症や膀胱炎予防のためにお水をたくさん飲ませるように」とよく言われます。
そこで今回は猫にお水を飲ませる工夫についてまとめてみました。
猫にお水を飲ませる工夫 水
猫にお水を飲ませるポイントは大きく分けて3つです。
1 水にこだわる
2 給水方法にこだわる
3 場所にこだわる
動物病院スタッフの間でもよく「猫はグルメ」と言われるくらい彼らは自分の口に入るものにこだわりが強い印象があります。
水にこだわる
硬水?軟水?
WHO(世界保健機関)の基準では
硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」といいます。
一般的に尿石症はミネラルの過剰摂取などが原因とされているので猫にあげる水としては軟水を推奨するケースが多いです。
ちなみに東京の水道水の硬度は60mg/l前後に調整されているので 軟水 になります。私たち人間も飲めるお水ですので水道水をそのまま猫に与えてもまったく問題ありません。
用意してあげたいお水の工夫
せっかくかわいい給水機にお水を用意したのにお風呂のお水やバケツのお水を飲んだり、キッチンに残っている水をぺろぺろしていた…という経験はありませんか?
グルメな猫は「いつものお水」に飽きてしまい、いろんなお水を飲みたがることがあります。どんなお水が好きなのか試してみるといいかもしれません。
浄水器
独特な水道水のニオイがとれて飲みやすくなります。ニオイに敏感な猫にとっても飲みやすくなるかもしれません。ただカートリッチの交換などのお手入れが必要です。
ウォーターサーバー
ミネラルウォーター=硬水=猫に飲ませちゃダメ!
といったイメージがある方いますが、ミネラルウォーターにも様々な種類があります。特に日本のミネラルウォーターはほとんどが軟水です。
メーカーによってはお水の種類を変えることができ、日本各地の名水を楽しむことができます。
ウォーターサーバーの最大のメリットは温度を変えられることです。
冷たいお水と温水を混ぜることでお水が同じでも温度を変えることによって飲み心地に変化を付けることができます。
トルマリン容器
化学的なことはわかりませんが、トルマリンでできた特殊な容器にお水を入れることで味に変化が起き、飲みやすくなるとか。不思議なことに使ってみた飼い主さんからは「本当によく飲むようになった」とのお声をよく聞きます。
うちも先代の猫が膀胱炎で悩んでいた時使っていました。
一度試してみてはいかがでしょうか?