分数計算なし!
動物看護濃度計算問題解き方

動物病院初診専門コンサルタントの傍らペット専門学校で非常勤講師をしています獣医師MicVet です。
年間約200時間以上講義でのべ500人のドッグトレーナーやトリマーそして動物看護師の皆様に獣医学を教えてきました。
このブログでは消毒薬などで必要な濃度計算の解き方を分数計算が苦手な方へ図を使った解き方についてご紹介します。
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濃度計算の乗り越えるべき壁

小学校5年生の算数で食塩濃度の計算式を習います。
濃度計算を苦手とする方の多くがこの苦い経験を持っています。
分数が苦手
意味がよくわからなかった
濃度計算の式を乗り越えるための壁はこの苦手だな~という意識をなくすことです。
割り算や分数が苦手な方は図を使って整理しまよう。
動物看護師統一認定試験では問題を解くために十分な時間がありますのでゆっくり図を書いて考えることができます。
希釈と濃縮

希釈とは
溶液に水などを加えて薄めること
濃縮とは
加熱などによって濃度を濃くすること
動物看護でよく使われる濃度計算は
・消毒薬の希釈
・注射薬の希釈
・内服薬(液体)の希釈
といった場面で使用することがほとんどなので基本的には希釈を前提とした計算問題が多いです。
単位の意味

10cm✕10cm✕10cmの箱にピッタリ入る水の量を1リットルと言います。
1リットルは1000立法センチメートル
1リットルの重さは水の場合1kgとなります。
kという文字が1000を表す文字なので
1リットル=1000gと表記することができます。
mという文字は1/1000を表す文字なので
1リットル=1000000mg(0が6個)と表記することもできます。
希釈問題の図

希釈の問題や濃度計算を考える時にはこのような絵を書きます。

例えば
100mlの水に5mgの薬を溶かした溶き薬は何%ですか?
といった場合には

このように書き入れます。

5/100を%で表現すると

つまり

となります。
○倍希釈の場合には真ん中の横棒に縦線を書き入れます。
5倍希釈の場合にはこのように線を書き入れます。

希釈の濃度問題解き方

それではさっそく,例題を解いてみましょう。
問題:注射薬を生理食塩水で5倍に希釈し50mlの薬液を作る時,必要とする薬の量として正しいものを1つ選びなさい。
1:10ml
2:20ml
3:30ml
4:40ml
5:50ml
問題文を読んで図を書きます。

問題文に「50mlの溶液」とあるので図に書き入れます。

問題文に「5倍に希釈し」とあるので真ん中の横棒を5当分になるように縦線を書き入れます。

※問題文「mg」や「%」が書いてないので空欄にしておきます。
問題文から求められているのは「必要とする薬の量」なので希釈する前の薬の量を考えます。

問題文から5倍希釈した結果,「50mlの薬液を作る」とあるので
5倍にする前の薬の量

答えは10mlで選択肢:1となります。
まとめ

動物看護濃度計算問題の解き方ポイントは
・苦手意識をなくす
・濃度問題を絵で整理する
・問題文からわかる情報を絵に書き入れる
・問題文から求められる数字を見つける
の4つです。
慣れるまでは問題を解くのに時間がかかりますが何回か練習すると「図」を書かずに解けるようになります。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ご自身のお体も大切に,明日も素敵な1日になりますように願っています。
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